非公式ゲーム攻略本は合法?

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くるらぼ(黒魔の本の人)同人誌の価格が適正か考えるの続き。

まずは先日公開されたこちらの記事を見て欲しい。
【FF14】同人誌「黒魔本」「赤魔本」「侍本」がC93で登場! 非公式ジョブガイドブック3冊を紹介

これは非公式に(スクエニに許諾を得ること無く)無断で発行される予定の攻略本の紹介ページだ。
紹介者「ねこ夫とくまー」と発行者「Krulls Lab.」は別人で、FF14関係のニュースサイトが同人誌の発行をニュースの一つとして取り上げた。

気になるコメントがいくつかついていたので、その真偽について考えてみたいと思う。

非公式攻略本は違法?

10.名無しのスノーマン 2017/12/16(土) 20:41:27 ID:c173f9c75
スクエニ出版部がいい顔しないからこういうのはやらんほうがいいぞ
無料配布ならまだしも例え赤字になっても販売するってのがアウトくさいし
エ ロ のほうがまだ見逃されそう

 名無しのスノーマン 2017/12/16(土) 20:51:05 ID:2d56fa46b
 これがアウトなら攻略サイトもアウトになるんじゃないの
 あっちも広告収入とか得るわけだし

 名無しのスノーマン 2017/12/16(土) 20:56:26 ID:c173f9c75
 屁理屈言うなよ
 じゃあ出版部に直接問い合わせてみるぞ、こういった本が販売されるようですが許可されたんですかってな

実際の所、非公式攻略本が本に触れる部分はあるのだろうか?

先に結論を言ってしまえば、基本的には合法であると考えている。

著作権法の関係

二次創作等と法律

一般に、ゲームを題材に同人誌を作ると違法だ。

これは著作権法に違反するためで、例えばFF15の同人誌でノクトの絵を書けば、それはFF15というゲームに出てくるノクトという著作物の絵のデッドコピーとして扱われ、無断でコピーしたとして違法になる。

ただし著作権で保護されるのは創作性のあるイラスト等であり、名前や設定などには基本的に著作権は発生ない。

つまりFF15の世界観だけを利用したオリキャラ同人誌を作る分には合法な可能性が高いのだ。
スクリーンショットや、本家ででてきたキャラと明確にわかるものを出せば違法となる。

件の同人誌ではどうか

この点、件の同人誌は微妙なところで、オリキャラではあるのだが、武具がFF14ゲーム内に出てくるものと酷似している。
と言うかわりと有名な装備を使っているため、ミラプリ勢ならすぐに元ネタがわかるレベルだ。
キャラクター同様装備デザインにも著作権は発生するため、この点で問題とされる可能性はあるだろう。

またジョブアイコンをそのまま使用しているようにも見え、これもアウトだ。

本文中にスクリーンショットを使うような場面はないので、表紙さえ差し替えれば著作権的な問題はないだろう。

ちなみに、この作者の黒魔解説本の初版は無配で、それにはスクリーンショットが使われていた。
その後有料販売を始めるにあたってスクリーンショットがなくなったので、おそらく作者もこの点は意識していると思われる。

無料であろうと有料であろうと違法であることに変わりはないのだが、比較的重い違法行為であっても無料の場合は黙認してくれる可能性が高くなると言われている。

黙認される実情

前述のようなアウトな違法同人誌は多数あり、おそらく同人誌の半数ほど(勘違いされがちだが、完全オリジナルの同人誌も多数存在する)はそのようなものだと思われるが、実際に逮捕などされることはほとんどない。

これは著作権違反が親告罪という特殊な犯罪であるためで、親告罪は被害者から訴えられない限り処罰されることがない。
誘拐や名誉毀損、著作権などが親告罪に当たる。

これは、被害者が問題と捉えないのであれば、わざわざ警察などが出張って逮捕するほどのものでもないだろう、という意味だ。

違法な同人誌の大部分は訴えられることがなく、事実上黙認されている。

DQ8非公式攻略本事件

事件の概要

2004年末、真っ先に出たDQ8の攻略本がある。
これは全てのデータを詳細に分析してあり、改造コードまで載った非常に詳しいものだ。

しかしこれはスクエニ(DQ8の開発元)の許可を得た攻略本ではなく、そのため程なくしてスクエニに訴えられて販売を中止してしまった。

当時の記事は大部分がリンク切れになってしまっているが、一部を2chのFFDQ板で確認することが出来る。
https://game10.5ch.net/test/read.cgi/ff/1104201811/

もともとは産経新聞の記事なのだが消えてしまったようだ。

ドラクエ攻略本に待った 販売元が出版差し止め申請 [産経新聞]
http://www.sankei.co.jp/news/041227/sha074.htm

 人気ゲームソフトの最新作「ドラゴンクエストVIII」の攻略本を鉄人社(東京)に無断で出版され、
大きな損害を受ける可能性があるとして、発売元のゲームソフト大手「スクウェア・エニックス」(同)は27日までに、
出版禁止などを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。

 スクウェア・エニックス社によると、ドラゴンクエスト攻略本の出版禁止を求める仮処分申請は初めて。
同社は「係争中でもあり、詳しいコメントは控えたい」と話している。

 問題となったのは、鉄人社が24日に発売した「ドラゴンクエストVIII完全攻略データ集」。

 申し立てでスクウェア・エニックス社側は「登録商標の『ドラゴンクエスト』を多用して商標権を侵害しているほか、
今後出版予定の公式ガイドブックと混同され、営業上の利益が侵害される」と主張。

 これに対し、鉄人社側は27日「『ドラゴンクエスト』は商品を特定するためなどに使ったにすぎず、
商標権の侵害はない。過去の公式ガイドブックと比べても、類似性はない」とする答弁書を東京地裁に提出した。(共同)

(12/27 19:03)

裁判は結局行われること無く、秘密裏に示談に終わった記憶がある。
申し訳ないことに詳しいソースを発見することはできなかった。

スクエニがここで問題であると主張したのは2つ
※一方的に主張しただけであり、これが事実であると確定はしていない
・「ドラゴンクエスト」の名を勝手に使うのは商標権の侵害に当たる
・不正競争防止法に抵触する
これが正しいかどうか考えてみる。

商標権

商標権というのは、お金を払ってあらかじめ申請した、特定のジャンルの特定の言葉等を独占的に使用できるようになる権利だ。

Aという商標が書籍のジャンルで登録されていたとする。

ここで単純にAを名乗る、「A」というタイトルの本を買ってに出せばそれは商標権の侵害になる。

ただ、「Aを解説する」などというタイトルの本を出す場合、これはAそのものではないことが明らかにわかるため、Aの商標を侵害するとは言い難い。
商標は、誰が出しているのかということを示す権利であるため、それを侵害していない限りは使ってもかまわないのだ。

例えば「POS」は印刷物の商標として出願されているが、「POSマニュアル」といった物を無断で出しても合法であるとの判決がある。(参考:商標判例データベース_昭和 62年 (ワ) 9572号)

つまり、DQ8の攻略本で勝手に「ドラゴンクエスト」の名前を使って、その本そのものがドラクエだとか書いていない限り、合法である可能性が非常に高いといえる。

不正競争防止法

不正競争防止法というのは、ざっくり言えば他の商品を騙ってはいけないというものだ。

見た目が似ていて、他者の商品と混同されることを目的としているとみられるものを販売したり、他者の著名な商品名をそのまま自分の商品名に使う(見た目が全く違っていたとしても)ことは禁止されている。

例えばFFシリーズの攻略本として有名なものに「アルティマニア」があるが、これのデザインや名前を真似して、混同し得るほどの同人誌「FF14アルティマニア」を作るとこの法律に引っかかる可能性が高いだろう。

件のDQ8非公式攻略本は既存の攻略本と似せたものでもなく、これに引っかかるとは考えにくい。

つまりDQ8の攻略本は違法だったのか

おそらくスクエニの出した論点は完全に言いがかりで、合法であったと思われる。

ただ、著作権の点で合法になったかどうかは怪しい。

鉄人社としては著作権で突っ込まれると別の訴訟で負ける可能性があり、スクエニとしては裁判が進んで言いがかりがつけたことがバレると非公式攻略本が増える可能性があり、お互いに大事にしたくないために時代になったのではないかと推測する。

鉄人社はこの後も非公式攻略本をいくつか出しているが、正直言ってできはかなり悪く、子供向けゲームの攻略本に出会い系サイトの広告を入れていたり、文章を検索してみるとネット上の攻略サイトからそのままコピペしている(当然著作権に引っかかり違法)部分が多数あることがわかる。
ネット情報のツギハギでとりあえずページをうめました、というのような状態で、ろくな情報がなく全く役に立たない。
盗用されているサイトの管理人に聞いてみたこともあるが、掲載許可を出したことはないとのことであった。

このDQ8の攻略本は持っていないが、同じようにネットの情報をコピペしていた可能性は高いだろう。
スクエニと鉄人社の訴訟は鉄人者が勝った可能性が高いものの、スクエニがそのネット情報の発信者と渡りをつけて訴訟の支援をすれば、鉄人者はパクリ元との著作権法の裁判で負けていた可能性がある。

ちなみにDQ8やその他の鉄人社の攻略本には、公式のイラストに似たものやゲーム画面は一切出てこない。
訴えてくる可能性のあるゲームの開発者との訴訟には勝てるように心がけつつ、ネット上の執筆者なんかは個人だろうしわざわざ訴えてこないだろう、と舐めてかかっている様子が見て取れる。

結局くるらぼ同人誌は合法なのか

今回の同人誌の場合、本文は全て作者が自分で書いた文であるため、著作権に引っかかることはない。
スキル名やゲームタイトルの使用に問題がないことも前述の通り。

したがって本文は完全に合法と言っていいと思われる。

ただし表紙イラストだけが違法な可能性をはらんでおり、もし文句をつけられた場合は表紙を完全オリジナルのものに差し替え、それまでの収益のいくらかをスクエニに払う必要があるかもしれない。

販売中止となった料理本

FF14関係の事件としては、FF14のゲーム内に出てくる料理の再現レシピ集の同人誌にスクエニから待ったが入り、販売中止となった事件がある。

KULTUR:FF14の料理レシピ同人誌 スクエニからの要請で発売禁止に

現在は消去されてしまったが、当時この本の作者はツイッターでこのように書いていた。

今回の件を誤解されている方が複数居られるので説明すると、料理や料理本が問題なのではなく「FF14というタイトル、またFF14内に登場する名称を複数使用した雑誌を販売し収益を得ている」というような事が引っかかったようです。ただ、そうなると他の二次創作物もアウトという事になりますが…、ここからは私の見解ですが、スクエニ側が全てを取り締まるという事は無いように思います。「収益を得ている」と言う言い回しから、私の場合、多額の利益を得ていると誤解されたのではと思っています。— プリぐるめ@創作活動中 (@prinamococo) 2017年2月25日

前述の理由で、FF14というタイトルやゲーム内に登場する名称を使用することに問題はない可能性が高い。
サンプルページを見る限りではゲームの素材を使用した部分はなく、著作権的にもクリアに見える。

問題になるとすればアイテム名の著作権だが……。FF14に出てくる料理名は大部分が現実に存在するものであり、名前単体で創作性がある(=著作権がある)とは認め難いように思う。そもそも名前の紹介はたとえ著作権があるとしても合法なはずだ。

ただ、表紙の完成度が非常に高く、それていて同人誌であるとの記載がなくスクエニ公式の書籍と勘違いされる可能性があるようなできであったため、その点で出所表示の問題で商標違反になる可能性はあるかもしれない。特に右上のロゴがまずいのではないか。
悩ましいラインなので、最終的に商標違反となるかどうかは裁判所の判断次第となるだろう。

その点くるらぼの同人誌は、告知サイトや本文中に非公式であることを明言しており、問題にならない可能性が高いように思う。

それはそうと、クルラボってサークル名、略すときに公式でもひらがなだったりカタカナだったりで表記ゆれしててどっち使って良いのかよくわからないし、ケロロのとかぶるしで検索しづらいのなんとかならないですかね。とりあえず基本的にはひらがな(ツイッターアカウントがそうなので)、前後の文脈的に読みづらそうならカタカナで書きました。
サークルHP見たくなったときにサークル名で検索すると上手くたどり着けないけど、黒魔本って検索すると出てくるっていう。

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